日本では「バランス」と呼ばれ、よくカタログ等でD1やD3などと表記されるものが「スイングウェイト」と呼ばれる概念です。これはクラブの重量配分を表す数値で、ヘッドのほうに重量がいくほど、スイングウェイトが重いクラブと言われます。
理論的にはA0〜F9まで存在することになっていますが、一般的な男性用クラブは概ねC7〜D6(Fに近付くほど重量がヘッド寄り)の間に収めるように作られています(ジュニア/女性用にはC2〜6等もある)。
また基本的に総重量の軽いクラブはスイングウェイトも軽く、総重量の重いクラブはスイングウェイトも重めに作られています。
ここで一つ注意していただきたいが、このスイングウェイトという概念は一つの尺度でしかないということです。プレイヤーの中にはこれにこだわりすぎるあまり、逆にクラブセット全体のバランスを崩してしまっている方が多々見受けられます。
実は総重量が300gでも1KgでもスイングウェイトがD2や3のドライバーは理論上は作れます。しかし、どちらのクラブが振りやすいかは一目瞭然でしょう。
同じことはアイアンセットにも言えます。スイングウェイトにこだわるあまり、総重量のフロー(段階的な流れ)が崩れてしまっては意味がありません。
またスイングウェイトはシャフトの長さや重量、グリップの重量によっても変化していきます。
重要なのはクラブの総重量やクラブヘッド/シャフトの性能、スイングウェイトも含めて、組み上げた際にプレイヤーが実際に振った時のフィーリングです。
最近のクラブには重量調整機能が付いているものも多いため、基本的には図のようにまずクラブ毎に重量をフローさせた上で、実際に使用する方に振っていただき、フィーリングに合わせてスイングウェイトなどを調整していくということが、クラブセットを作っていく上で一番効率的で確実な手法になるでしょう。